異文化コミュニケーションについて学びたい!
日本や他の国の文化を知るのって楽しい!
もっと体系立てて学びたいな……
そんな方にオススメの異文化コミュニケーションの入門書を4冊紹介します!
MBA留学の際、最も印象的だった学びのひとつが異文化論でした。
文化の違いをアカデミックな見地から見たり、クラスメイトと自分の文化傾向を比較したり。興味深さゆえに国の政策を文化的差異から分析する個人スタディも行いました。
MBA留学前からそれなりに海外経験はありましたし、「日本ってこういう国」についてのイメージもありました。
それでもMBAでの学びは新鮮でした。
- 文化の差ってこうやって整理できるのか!
- 異文化論から見ると、日本ってこの立ち位置なんだ……
- みんな日本の文化にこういう反応示すのか!
同時に、授業の題材だけだと、日本に対する言及に違和感を覚えることもありました。
- ちょっと単純化しすぎじゃない?
- この事例からこの文化傾向って論理が飛躍してない?
そこでビジネススクールの教授に「文化の違いについて学べる本って何?」と尋ね、紹介されたのが今回とりあげる4冊です。
翻訳が出ている本が3冊、未邦訳が1冊。
1冊ずつ紹介していき、最後にどの本がどんな人向きかもまとめます(結論だけご覧になりたい方は、まとめをクリック!)。
どの本も面白かったです!
この記事を読んで興味もってもらえたら幸いです。
『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』(著:エリン・メイヤー)
1冊目にご紹介するのは、『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』。
ビジネススクールで教鞭をとり、「Thinkers 50」に3回も選ばれているエリン・メイヤー教授が著した、ビジネス現場での異文化コミュニケーションの入門書です。
【特徴】海外ビジネスの即戦力ツール「カルチャー・マップ」
『異文化理解力』では、カルチャー・マップという枠組みで文化を分析します。
どういう枠組みなの?
ビジネスで問題になりやすい8つの側面から文化を見る枠組みです。
8つって具体的には?
嚙み砕いて言うならば次の通りです。
確かにどれも大事そう……
でも8つって多いな……胃もたれしそう。
読みやすい語り口に加え、海外ビジネスあるあるな事例だらけであっという間に読み終わってしまいます!
それに各指標の高低が可視化されているため、8つあっても全体像の把握は容易です。
「カルチャー・マップ」とは、8つのマネジメント領域を縦軸に、各領域における両極端の特徴を横軸に置いた、文化の「見取り図」だ。
出典:メイヤー, E. 樋口武志訳(2015)「監訳者まえがき」『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』(太字・下線は筆者)
文化の見取り図。下図のように可視化が行われます。
例えば「コミュニケーションの明示性」では、ハイコンテクストな(暗黙の了解が多い)文化が一方の端にあり、その逆のローコンテクストな文化がもう一方となります。
上の図を見ると、A国とB国では、行間を読む度合い(コミュニケーションの明示性)に大きな違いがあることが一目瞭然です。
他の項目についても、どの側面で両国が近しく、どの側面で遠いのかが、見取り図として可視化したおかげで明瞭です。
他の文化との違いが分かった後、どうすれば良いのだろう……
大丈夫です。カルチャー・マップの各指標について、対応策も記載されています!
本書の特徴まとめ
- カルチャー・マップが提供するビジネスに特化した8つの切り口
- 読みやすい語り口と記憶に残る事例。さらには見取り図もあり、各指標が理解しやすい上に全体像も把握しやすい
- 文化の差異への対応策も記載されているため、読了後すぐに使えるノウハウにもなる
ビジネススクールの教授だからこそ著せた、ビジネス現場のニーズと文化研究が見事に融合した書ではないでしょうか。
- リスペクトの示し方なんて万国共通では?
- 日本は行間を読む文化だと思うけど、世界的にはどのくらいの位置にいるんだろう?
- え、納得しやすいロジックや信頼の築き方に文化の違いなんてあるの?
- 階層主義の国の意思決定なんて、トップダウンに決まってるよね?
- 時間を守らないあの国の人たちは、なんで守ってくれないんだろう?
こんな思いや疑問をお持ちなら、是非一読を。
海外ビジネスを行うなら、副題にある『ビジネスパーソン必須の教養』も過言ではないと思います。
【個人的な面白ポイント】指標×指標で3Dな文化像
カルチャー・マップでは、8つの指標で文化を分析します。
複数の指標があるということは、指標の組み合わせもできるということです。
指標を組み合わせると、その国の文化の実像が見えやすくなります。
例えば、コミュニケーションの明示性と悪い評価の伝え方の組み合わせを考えてみましょう。
日本のコミュニケーションは明示的でしょうか? 暗示的でしょうか?
そりゃあ暗示的です。察しの文化だもの。
そうですね。
では日本では悪い評価を伝えなければならないとき、直接的に伝えるでしょうか? 間接的に伝えるでしょうか?
んー、間接的かな。上司によっては成績の悪い部下をこき下ろしそうだけど。
その通りです。カルチャー・マップによると、日本にはネガティブフィードバックを間接的に行う文化傾向があります。
なんだ、イメージ通りじゃん。
今度はアメリカを考えてみましょう。アメリカのコミュニケーションは明示的でしょうか?
アメリカは物事をはっきり言うイメージがあります。ちゃんと言わないとわかってもらえないって。
そうですね、カルチャー・マップでも、ローコンテクストな傾向が見て取れます。
では、ネガティブフィードバックの行い方は直接的でしょうか? それとも間接的?
はっきり言う文化なんだから、フィードバックも直接的じゃないの?
本書によると、実はアメリカではネガティブフィードバックをあまり直接的に行わない方が良いのだそうです。
なんと! 日本みたい!
日本ほどの極端さではないですけどね。驚きでした。
カルチャー・マップでの位置づけ
なんとなく、アメリカって日本の真逆に位置してると思ってた……。
あるひとつの側面だけで文化を捉えていると、文化の多面性を見落としてしまいがちです。コミュニケーションの明示性とネガティブフィードバックの仕方の組み合わせは、文化の多面性をわかりやすく示してくれる例ですね。
アメリカ的にやろうと思って直接的な物言いをしたら、逆に失礼になってしまうこともあるわけだ!
気をつけなきゃ……
なお『異文化理解力』では、コミュニケーションの明示性とネガティブフィードバックの仕方の全ての組み合わせに関する対処法を記してくれています。実に丁寧です。
- 明示的 × 直接的なネガティブフィードバック
- 明示的 × 間接的なネガティブフィードバック(アメリカ)
- 暗示的 × 直接的なネガティブフィードバック
- 暗示的 x 間接的なネガティブフィードバック(日本)
このように、複数の軸の組み合わせを知ることで、「アメリカって個人主義でなんでもはっきり言わなきゃいけないんでしょ?」みたいな平面的なステレオタイプからの脱却がしやすくなります。
奥行きのある立体的な文化像が立ち上がっていきます。
漫画やアニメを考えてみましょう。明るいだけのキャラや、ガリ勉なだけのキャラにどれだけリアリティを感じるでしょうか?
それだと生きたキャラクターというより、ただの記号かな。
ヒロインに街中で絡んでくる不良とかも!
明るいけど実は別の隠れた側面があったり、ガリ勉なのには深い理由があったり、とそのキャラをただ「明るい」「ガリ勉」で終わらせない別の軸があってこそ、そのキャラに肌触りを感じないでしょうか。キャラクターが本当に存在するかのように立ち上がってこないでしょうか。
カルチャー・マップが、明示性とネガティブフィードバックの組み合わせで見せてくれたのは、その文化版です。読んでいるだけでも、文化に命が吹き込まれた感覚になるのです。
不良が雨の日に、捨て猫に傘をさしてあげてるのを見て、「あ、悪いだけの奴じゃないんだ!」って思うみたいな感じだね!
それはさすがにテンプレ過ぎる気がしますが……。
カルチャー・マップには、ただでさえ8つの指標があるわけですから、眺めているだけでも各文化の多様な側面を感じられます。
しかし『異文化理解力』は、文化軸を並列に並べるのにとどまりません。
明示性とネガティブフィードバックのように、時に複数の文化軸を組み合わせ、その組み合わせの意味や対応方法を説明することで文化理解を深めてくれます。
個人的な白眉は、階層主義と決断の仕方の組み合わせでした。
なんでここが印象的だったの?
特殊だとなんとなく感じていた日本のある側面を、きれいに言語化してくれたからです。
階層主義と決断の仕方。それぞれにおける日本の傾向自体は特筆するようなものではありません。世界のマジョリティと同じではありませんが、かといって唯一無二なわけでもない。
でもこの2つの指標を組み合わせると、途端に日本の特殊性が浮かび上がります。本書を読む限り、日本のような組み合わせを持つ国はほとんどいません。
この組み合わせの特殊性を説明するにあたり、著者は稟議システムの話を始めます。稟議システムこそ、階層主義と決断の仕方における日本の立ち位置を体現しているからです。
このことを記述した章を読み終え、「なんか他の国と仕事の進め方が違うなあ」とのモヤモヤが、すっきり整理されました。
ひとつの観点だけだと説明しきれない事象や感覚が、複数の観点を組み合わせることによって解決—―そんな爽快感をおぼえる読書体験でした。
『木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか』(著:リチャード・E・ニスベット)
続いて紹介するのは、『木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか』です。
社会心理学者のリチャード・E・ニスベット博士が、東洋と西洋の世界観の違いとその理由を研究した書籍。
この記事で紹介している4冊を薦めてくれたビジネススクールの教授が、4冊の中で一番好きだと言っていた1冊でもあります。
心理学者としての物の見方を変えた1冊だそうです。
【特徴】東洋と西洋の徹底比較
今回紹介する4冊のうち、他の3冊はいずれも世界全体を分析する枠組みを提供してくれる本です。
一方、『木を見る西洋人 森を見る東洋人』だけが、分析の対象を絞り込んでいます。
取り扱ってるのは東洋と西洋だけだけど、ビジネススクールの教授の世界観を変えたんだね。
日本人的には「みんなそうじゃないの?」なことが、西洋の枠組みだと衝撃なのかもしれません。
東洋を、本書は西洋と徹底比較します。
この本を東洋文化を論ずる他の書籍と一線を画すようにしているのは次の3点だと思います。
- 比較する観点の多様さ
- 実験、実験につぐ実験
- HowとWhyの両立
比較する観点の多様さ
西洋って個人主義で東洋は集団主義、のような漠とした論はそこかしこにあるかもしれません。
しかし『木を見る西洋人 森を見る東洋人』ほど様々な視点で西洋と東洋を比較した本はなかなか無いでしょう。
具体的にはどんな観点で比較しているの?
例えば次のような観点です。
東洋と西洋を比較する観点の例
- 自己認識
- カテゴリー分けの仕方
- 陥りがちなバイアス
- 論理に対するスタンス
- 視野(何に注目するか)
- 交渉戦略
- 未来予測
確かにたくさん……
上記のような観点で見られる西洋と東洋の違いが、現実の社会でどう表出しているかも、本書は論じます。
つまりどういうこと?
観念的な比較に留まらず、現実社会に根差した地に足の着いた比較でもあるということです。
西洋と東洋の違いが見られる現実社会の領域として、本書では次の8点が取り上げられていました。
本書で取り上げられる社会領域
- 医学
- 法律
- 討論
- 科学
- 文章技法
- 国際関係
- 人権
- 宗教
これまた視点がたくさんありますね!
人権にも東洋と西洋の違いがあるだなんて!
読んでいく中で、西洋と東洋の違いは、私たちの社会に価値観に極めて多層的に存在していると実感しました。
実験、実験につぐ実験
文化の違いって、印象論で語る人が多そうだけど、この本は違うの?
『木を見る西洋人 森を見る東洋人』では、とにかく次から次へと実験が登場します。単なる印象論ではなく、学術的な成果が1冊にまとめられているのです。
実験も面白い内容ばかりです。印象的だった実験のひとつに、カテゴリー分けに関する実験があります。
アメリカと中国の子供たちに、牛とニワトリと草の画像を見せ、「どれとどれが仲間か」尋ねる実験です。
結果はどうだったの?
アメリカ人は牛とニワトリを一括りにしたのに対し、中国人は牛と草を仲間として見る傾向がありました。
アメリカ人の子どもは「分類学上の」カテゴリーにもとづいて、つまり同じ分類学上の用語(「成体」「道具」など)が当てはまるかどうかを基準として、対象物をグループに分けることを好んだ。中国人の子供は関係にもとづいて対象物をグループに分けることを好んだ。
出典:ニスベット, R.E.(村本由紀子訳)『木を見る西洋人 森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか』p.160(太字・下線は筆者)
西洋はより分析的に世界を観察するのに対し、東洋は事物の関係を重視する世界観を持っているゆえに、このような差が生じたものと本書では考えられています。
えー、この実験からだけでそういう結論が言えるの?
他にもこの結論を支持する実験が、本書では登場します。是非お読みください。
なんとなく抱いていた西洋と東洋の違いのイメージが、実験で次々と実証され、クリアになっていく様は爽快です。
面白実験の宝庫として本書を読むこともできます。
「この文化的差異を検証するために、そういう実験アプローチをとるのか!」と感嘆したり、実験結果を読んで「確かに自分もこういう反応をしそうだ!」と膝を売ったりすること請け合いです。
例えば、水中の様子を描写したアニメを使った実験は、著者と増田貴彦博士(当時は学生)が考案し、『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』や『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法 第2版』でも紹介されています。東洋と西洋の違いを明らかにする象徴的な実験です。
印象論ではない東洋・西洋文化論が読みたいなら、この『木を見る西洋人 森を見る東洋人』は打ってつけです。
HowとWhyの両立
『木を見る西洋人 森を見る東洋人』は「へー、西洋と東洋ってこういう風に違うんだね! 面白い!」だけの書物ではありません。
なぜ西洋と東洋の違いが生まれたのかも掘り下げます。
確かになんで文化の違いが生まれたのかは気になる……
冒頭からWhyを探求し、Why DifferentとHow Differentを行き来しながら筆が進められていきます。
初っ端から第1章『古代ギリシア人と中国人は世界をどう捉えたか』、第2章『思考の違いが生まれた社会的背景』とWhyを追求する章です。実験が次から次へとお披露目されていくのは第3章以降です。
違いが生まれた100%明快な答えはありませんが(色んな要素が絡まりすぎるので、タイムマシンがあっても不可能でしょう)、納得感のある仮説を古代ギリシアと古代中国の思想家や社会的環境から提示してくれます。
Whyの探求により、本書の深みが増しています。
私自身、実験が証明する東洋と西洋の違いが、今だけの現象ではなく、古代から先祖代々受け継がれてきたものなのだと実感できました。
グローバル化した現代においても、思考様式はそうそう変わっておらず、東洋と西洋の世界観の差異はこれからも続くのだと(いずれ収束する可能性はありますが)。
紹介される実験で「確かに日本人こういう反応しそう!」と、あるあるを見る感覚になるだけでなく、「確かに歴史的背景を考えるとそうなるか……」とも感じ入ります。
実体験ベースの納得に加え、歴史的文脈を踏まえた納得感も味わえる一冊です。
本書の特徴のまとめ
『木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか』の特徴をもう一度まとめると、次の3点です。
- 比較する観点の多様さ
- 実験、実験につぐ実験
- HowとWhyの両立
でも東洋と西洋っていう括りは乱暴じゃない?
東洋だって色々違うわけだし。
著者はその点についてもしっかり触れています。
ご心配なく!
【個人的な面白ポイント】価値観の転換は『なんでも鑑定団』
認知科学者は間違っていた?という刺激的なフレーズが、『木を見る西洋人 森を見る東洋人』の序章で踊っています。
東洋と西洋の世界の見方が異なるのであれば、「認知プロセスは人類普遍」という認知科学の根本が揺るがされるというのです。
私は心理学者として、これらの主張が革命的な意味をもっていると感じた。もし彼らが正しければ、認知科学者は間違っていたことになる。つまり、人間の認知はどこでもみな同じ、ではないのだ。
出典:ニスベット, R.E.(村本由紀子訳)『木を見る西洋人 森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか』p.5
日本人として、西洋と違いがあるとは思っていましたが、まさか「革命的」だとは思っていませんでした。
違いは違いであって、大小あれどただのグラデーション。学問の根本に影響するような視点だとは思っていませんでした。
しかし数々の実験を経た著者の結論は次の通りです。
これまでのように西洋人だけを対象として実験を行い、そこから人間の知覚や認知のプロセスについての結論を得たとしても、決して一般的なものとは言えないということである。西洋人のデータのみから普遍性を結論づけるという過ちは、本書のなかで紹介された数多くのトピックに関して実際に行われてきた。
出典:ニスベット, R.E.(村本由紀子訳)『木を見る西洋人 森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか』p.214(太字・下線は筆者)
「過ち」! 強い言葉だ!
知覚や認知のプロセスのうち、どこまでが普遍的であり、どこからは集団によって変化しやすいのかということを、もう一度考え直す必要がある。
出典:ニスベット, R.E.(村本由紀子訳)『木を見る西洋人 森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか』p.214(太字・下線は筆者)
確かに割と根本的な話をしている……。
私は認知科学や心理学の専門家ではないので、実際どこまで革命的な話なのかは断言できませんが、なかなかに大事そうな印象を抱きます。
著者はさらに続けます。
過ちはさらに深く、別のトピックに関しても続けられようとしており、今日もなお疑われることは無い。
出典:ニスベット, R.E.(村本由紀子訳)『木を見る西洋人 森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか』p.214(太字・下線は筆者)
「ハーバード式」とか「スタンフォード式」とかは疑ってかかれってこと?
いやいや、さすがに何でもかんでも疑えというわけではありません!
文化差がない研究領域なんてたくさんあります。とはいえ、文化差が影響しうる分野に関しては、西洋の最新知見なるものを、なんでもありがたがるのではなく、「東洋の世界観から見るとどうだろう?」と疑問をなげかけてみるのも面白いかもしれません。
こうして『木を見る西洋人 森を見る東洋人』を読むと、自分の持っている価値観は『なんでも鑑定団』かもしれない、と思えました。
なんでも鑑定団???
さすがに意味がわからない……。
『開運!なんでも鑑定団』を見てると、「おじいちゃんの形見なんだけどずっと倉庫に眠ってたんです」という壺が実は国宝級の逸品だった!みたいなケースが時々登場しますよね。
時々ね。
私たちにとっての東洋の世界観も、そんな壺と同じじゃないでしょうか?
なんてことなく普通だと思ってた価値観が、外の世界に出してみると珍しかったわけですから。
他の異文化理解フレームワークでも、東洋の世界観は興味深い対象として扱われています。
例えば『異文化理解力』のカルチャー・マップでは、納得しやすいロジックの文化差の章で、東洋的な考え方は西洋とは軸が異なると述べています。
世界で最も参照されている文化指標であろうホフステードの6次元モデルも、6次元の内の1つは、東洋的価値観を捉えるために加えられました。
このように、普通だと思っていたものに実は価値があった――そんな価値観の転換を味わえる一冊でもありました。
『ルーズな文化とタイトな文化 なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか』(著:ミシェル・ゲルファンド)
3冊目にご紹介するのは、『ルーズな文化とタイトな文化 なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか』です。
スタンフォード大学で心理学・組織行動論の教授を務めるミシェル・ゲルファンド博士が著したTight-Loose理論による文化分析書。
Tight-Loose理論?
ルールに対するタイトさとルーズさで文化差を測る枠組みです。
この本はシンプルです。Tight-Looseの尺度だけで文化を分析し、文化傾向の成り立ちも考察します。
一方で分析対象は幅広いです。国だけではありません。同じ国の中の地域差や貧富差にも切り込みます。
【特徴】Tight-Loose理論だけに絞ったシンプルさ
Tight-Looseに始まり、Tight-Looseに終わる。『ルーズな文化とタイトな文化』はそういう本です。
タイトとルーズがまだよくわからない……。
社会規範の厳しさの度合いです。厳しければタイト、緩ければルーズ。
例えば、電車の中で電話して良いか。日本の社会規範だとNOです。そしてそんな社会規範から逸脱すると、白い目で見られるでしょう。一方で、基本的には電車の中で電話はしないのだけれど、してても目くじらを立てない文化もあります。
『ルーズな文化とタイトな文化』では、このTight-Looseの枠組みで、世界の様々な事象を説明しようとします。
なおタイトかルーズかの二択ではなく、グラデーションのある指標です。
1つの尺度だけで説明しようとするのは乱暴なのでは?
それが案外、国の違いを色んな側面を説明できるんです。
思ったより懐が深い理論でした。
『ルーズな文化とタイトな文化』では、国によって違いが見られる次のような事項をTight-Loose理論を用いて説明します(タイトな文化/ルーズな文化では、政治体制がこうなりがち、等)。
- 政治体制
- 治安
- ウェルビーイング
- 時間の正確さ
- 多様性の許容度
- クリエイティビティ
- 町のきれいさ
確かに説明対象が多岐にわたってる……!
しかも『ルーズな文化とタイトな文化』で説明されるのは、国ごとの違いにとどまりません。
Tight-Loose理論に関連したトピック例
- タイトな文化、ルーズな文化それぞれの強み弱み
- 同一国内でのTight-Loose地域差や貧富差
- 企業活動にみるTight-Loose
- タイト/ルーズな文化の形成要因
- タイト/ルーズな文化が変容するタイミング
このように『ルーズな文化とタイトな文化』は、1つの枠組みだけで国の文化の違いを説明している点、その理論を国以外にも適用している点が、今回ご紹介している他の書籍と異なります。
とりあえず1つだけ文化指標を頭に入れるのなら、色んな文化側面を包含できるTight-Looseが丁度良いでしょう。
Tight-Looseの概念1つだけを理解すれば良いですし、適用範囲も広いので、異文化コミュニケーション学習の1歩目としてもオススメです。
【個人的な面白ポイント】「欧米は~」の危うさの炙り出し
『ルーズな文化とタイトな文化』では、同じ国の中でも地域によってタイトさ/ルーズさが異なると説明されます。
確かに日本でも県民性ってあるしね。
本書で焦点があてられたのはアメリカです。
このアメリカの分析は、個人的に気づきが多く、大満足でした。
アメリカはご存じの通り50州からなり、人口は日本のおよそ3倍、国土面積も日本よりはるかに大きいです。
日本の47都道府県で県民性があるのですから、アメリカで州民性があっても何ら不思議はありません。
あれ、でもどういう州民性があるかイメージがわかない……。
アメリカが分断されたとか最近言われるし、結構な違いがありそうなんだけどな。
Tight-Loose理論で見ると、タイトな州とルーズな州の差は大きいです。
最もタイトな州のスコアは最もなルーズな州の3倍以上だ!
そうなんです。アメリカは国としてはルーズな方に位置しますが、州ごとに見ていくと、タイトな州もあります。そしてその差は大きいです。
「アメリカの人は~」と一緒くたに括れないんだね。
ではどのような括り方が考えられるのでしょう? これまた難しい問題です。
例えば、著者は赤い州(共和党支持)、青い州(民主党支持)の括り方は、各州の実態を表していないとしています。
タイトさのスコアと赤か青かが必ずしも連動していないからです(トップ3は赤と青にわかれてますが)。
タイトで共和党支持もいれば、タイトで民主党支持もいる。ルーズについても然り。政治的信条と文化的土壌を直結させることは、やや短絡的なのでしょう。
他にも、『ルーズな文化とタイトな文化』ではお金持ちと貧しい人との間でもタイト/ルーズのスコアが異なることを示しています。どの州にも貧富の差はあるでしょうから、州内でもタイト/ルーズのギャップが存在するわけです。
国全体をひと括りにして傾向を論じるのは乱暴になりかねませんし、州で括っても、まだまだ細分化の余地はありそうです。
よく「欧米」と一括りにすることがありますが、アメリカだけでもタイト/ルーズが様々なのだから、欧米全体が同じなわけがありません。タイト/ルーズ以外の文化指標も含めるとなおさらです。
「欧米は~」「西洋は~」と論じそうになるとき、その括り方でいいのか立ち止まって考え直すことが肝要でしょう(適切な場合もあるとは思います)。
「海外は~」の括りはなおさら注意が必要そう。
シンプルなTight-Loose理論をアメリカ1国に適用するだけでも、多様なセグメントを露わにできるのだと実感するアメリカ分析でした。
括り方には気をつけなければと自戒します。
注釈だらけになることとのバランスもあって難しいですが……。
『Exploring Culture: Exercises, Stories and Synthetic Cultures』(著:Gert Jan Hofstede他)
最後にご紹介するのは、『Exploring Culture: Exercises, Stories and Synthetic Cultures』。ホフステードの6次元モデルに関する実践書です。
ホフステードの6次元モデルは、文化の特徴を数字で表すモデルとして、最も有名といっても差し支えないでしょう。
ホフステードの6次元モデルでは、文化の特徴を6つの側面から解き明かします。本書では、その内の5つを取り上げます。
著者はこのモデルを中心となって考案したヘールト・ホフステード博士、その息子で集団生物学者であるのヘルト・ヤン・ホフステード博士ら。ホフステードモデルの核心を捉えた実践書であること請け合いです。
ホフステードの6次元モデルとは
ホフステードの6次元モデル(6-D model of national culture)は、文化研究の第一人者であるヘールト・ホフステード博士が中心となって考案したフレームワークです。
6つの指標を通じ、各文化の価値観を0-100で数値化します。
- 権力格差:権力の差異がどれだけ受け入れられているか
- 集団主義/個人主義:個人の利害がどれだけ優先されるか
- 女性性/男性性:結果重視の度合い
- 不確実性の回避:未知の状況を回避するため、どれだけ決まり事をつくるか
- 短期志向/長期志向:見据える未来が短期的か長期的か
- 人生の楽しみ方:人生を楽しむことが、どれだけ良しとされているか
『Exploring Culture』では、6次元の内、①権力格差、②集団主義/個人主義、③女性性/男性性、④不確実性の回避、⑤短期志向/長期志向の5次元を扱います。
なお、ホフステードの6次元モデルを用いて日本文化を分析した記事はこちら。
【特徴】エッセンス凝縮されまくりの実践書
『Exploring Culture』には難しい話は出てきません。アカデミックに異文化を理解するための本ではなく、初心者むけの異文化コミュニケーション実践書です。
どういうところが初心者向けなの?
とにかく分かりやすさ重視なところです。
分かりやすさ重視?
文化の極端なパターンを示して、各文化指標をわかりやすく説明してくれています。さらに、「こんな極端文化が面接にきたら……」みたいなケーススタディが豊富で、イメージの掴みやすさこの上ないです。
実践書というのは?
この記事で紹介している書籍のうち唯一、練習問題つきなのです。それもたくさん。
加えて、集団シミュレーションのやり方も教えてくれます。
極端な文化(Synthetic Culture)
Synthetic Culture。直訳すると人工文化ないし合成文化。間違いなく本書のキーワードです。
つまりどういう文化?
ホフステードモデルの文化指標のうち1つだけが存在し、その値が極端に高い/低い文化を、『Exploring Culture』では創作しています。
そんなSynthetic Cultureを通じ、著者は文化指標の特徴を説明していきます。
『Exploring Culture』で取り扱われる文化の切り取り方は5種類です。各指標の高低をあわせて10通りのSynthetic Cultureが記述されています。
人工文化(Synthetic Culture)10通り
なんで人工的に文化をつくる必要があるの?
極端すぎて、現実には役立たないのでは……
究極に単純化することで、各指標の本質が浮かび上がります。
まずは極端なバージョンでざっくりした理解を体系立てて得られてこそ、各指標が複雑に組み合わさった現実の文化も紐解きやすくなるでしょう。
しかも『Exploring Culture』による各指標の本質・特徴の言い表し方は極めて極めて明快です。
人工文化1~10それぞれについて、次の事項がまとめられています。
それぞれの文化の……
- 核となる価値観、他文化との中心的差異
- 生き抜く上での黄金律
- コミュニケーション傾向(言語・非言語)
- 他の文化が抱きがちな固定観念や下しがちな評価
- ストレス下での振る舞い
- ポジティブ/ネガティブに受け取られる言葉
- 男性と女性の役割
どの項目も、長くて2~3文です。そこまで凝縮されてしまうと、色んな抜け落ちがあるのではと不安になるところですが、本書の場合はホフステードの6次元モデルの考案者たちが著しているので、本質は捉えてると安心できます。
文化指標のイメージをつかむにはピッタリの本なんだね!
練習問題つき
練習問題つきであることも、『Exploring Culture』の特徴です。本書を実践書たらしめているゆえんでもあります。
練習問題例
- カルチャーショック:ケーススタディを読み、主人公がどのようにカルチャーショックを体験したか答える。
- 文化要素発見:ケーススタディを読み、文化の特徴が表れている記述に下線を引く。
- 人工文化なりきり:ある状況におけるコミュニケーション相手の反応を人工文化1~10それぞれについて答える。
- 人工文化あてクイズ:ある人物・状況の説明を読み、どの人工文化に属するかをあてる。
- 職場シミュレーション:職場で起こりがちな出来事(例えば予期せぬ昇格)などの際に、各人工文化がどのような反応をしそうか答える。
これだけ練習問題があれば、文化の特徴を見分けるスキルが自然と上がりそう!
もちろん現実の文化は多面的かつ多層的ですので、そのまま適用はできないでしょうが、第1歩としては大きいと思います。
スキルよりも大切なのは、「ミスコミュニケーションは文化差ゆえかもしれない」と思えるマインドセットです。
そんなマインドセット醸成に練習問題はうってつけでしょう。練習問題を通じ、文化の観点で考える経験を積むことで、日常でも「あ、文化の観点からはどうだろう?」と思い至りやすくなるはずです。
また練習問題が要求するのは、漠然とした印象論ではなく、ホフステードのモデルなどのフレームワークを用いた回答です。つまり、どうやって文化を要素分解すれば良いのかの知識も身につく練習問題なのです。
マインドセットと知識が『Exploring Culture』を通じて身につけば、現実世界で文化観点での分析を実践する機会も増え、実践の質も向上することでしょう。
すると、日々の生活の中で、異文化コミュニケーションのスキルアップを継続していけるのではないでしょうか。
【個人的な面白ポイント】自国礼賛の寓話
『Exploring Culture』では色んな物語が体験談・ケーススタディとして語られます。
その中でも、個人的に最も響いたのは、自国礼賛の寓話でした。
どこが良かったの?
文化に良し悪しは無いことを再体験させてくれたからです。
あらすじ
舞台はマライラ島という架空の島。1組の夫婦が宿を長年営んでました。
夫婦の間には5人の娘がいましたが、皆結婚に際して別々の国へと旅立っていきました。
ある日、夫が亡くなります。女主人は宿を閉め、娘の家に引っ越すことにします。
でもどの娘の家に引っ越せば良いのでしょう?
娘たちは誰もが母親に自分の国へ引っ越してきてほしいため、自国の素晴らしさをプレゼンテーションしていきます……。
わかった! 娘たちが引っ越した5つの国が、ホフステードの5次元ひとつひとつに対応してるんでしょ!
その通りです。そしてプレゼンの度に、他の国に住む娘からケチがつきます。
例えば、平等主義の国に嫁いだ娘の話です。彼女の息子(つまり女主人の孫)が次のように説明します。
おばあちゃんは僕たちの国を気に入るよ。僕たちの国では、皆が平等に扱われるんだ。皆が同じ権利を持ち、誰にも特権は無い。大富豪もいなければ大貧民もいない。国のリーダーは自分たちで選ぶし、そのリーダーは他の人と同じように道を歩く。近づいていって話しかけることもできる。リーダーが十分に責務を果たさなくなったとほとんどの人が思えば、リーダーは職を辞し、皆でまた新しいリーダーを選ぶんだ。
出典:Hofstede, G.J., Pedersen, P.B., & Hostede, G. (2002). Chapter 2: Culture: The Rules of the Social Game. Exploring Culture: Exercises, Stories, and Synthetic Cultures
なんだかフランクで素敵な国に見えるけどな。
ところが、他の国からは次々に突っ込みが入るんです。
次のような感じです。
ツッコミに対して、平等主義の国も反論します。
こうして喧々諤々の議論が5つの文化について行われるわけです。
どの国も、「魅力のプレゼン→他の国からの反論」の構成です。
読んでいる時の感覚は、「いい国じゃないか→確かにそういう見方もあるか」の繰り返しでした。
文化に優劣なし。文化は相対的。言葉ではわかっている人が多いと思います。しかし感情がついていきづらいのも実情ではないでしょうか。
例えば、私なんかより海外ビジネス経験のはるかに長い先輩が、「どうしても時間にキッチリしてる方が優れてるって思っちゃう」と言ってくれたことがありました。
『異文化理解力』に書かれている通り、時間の柔軟性は文化によって異なります(日本はキッチリしてる側の文化)。優劣ではありません。
海外経験が豊かでも優劣判断からは自由になりにくい証左として、自省する機会になりましたし、正直に話してくれた先輩にも感謝です。
人間は感情の生き物ですから、自分の好みに応じて優劣判断してしまうことから抜け出ることは不可能でしょう。
でも、「文化の優劣ではなく文化の違いなのだ」とすぐ立ち戻れるようになりたいです。
『Exploring Culture』の自国礼賛寓話は、文化の相対観を取り戻させてくれる絶好のテキストでした。
ホフステードモデルを学べる他の書籍
『Exploring Culture』は実践書です。理論書ではありません。
- ホフステードの6次元モデルの各指標についてもっと深く知りたい!
- どうやって各指標を算出したの?
- どうしてこの指標が信頼できるの?
このような疑問をお持ちの方は、ホフステードの6次元モデルの教科書ともいえる『多文化世界 違いを学び未来への道を探る』をご覧ください。
他にも、ホフステードの6次元モデルを、日本とビジネスの観点でまとめた書籍としては『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法』がございます。
まとめ:いま読むべき本は?
この記事では、ビジネススクールの教授に紹介された異文化コミュニケーション入門書4冊を紹介しました。
異文化コミュニケーション入門書4選
- 『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』(著:エリン・メイヤー)
- 『木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか』(著:リチャード・E・ニスベット)
- 『ルーズな文化とタイトな文化 なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか』(著:ミシェル・ゲルファンド)
- 『Exploring Culture: Exercises, Stories and Synthetic Cultures』(著:Gert Jan Hofstede他)
どれも入門書ですが、それぞれに特徴があります。
タイトル | 内容 |
異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 | ビジネスに即した異文化フレームワーク「カルチャー・マップ」の説明 |
木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか | 実験を通じ、東洋と西洋の違いを様々な角度で検証 |
ルーズな文化とタイトな文化 なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか | ルールにタイトな文化かルーズな文化かで国・会社・コミュニティの文化を分析 |
Exploring Culture: Exercises, Stories and Synthetic Cultures | 世界で最もポピュラーな文化分析フレームワークだろうホフステードモデルのエッセンス凝縮と練習問題 |
結局どれから読めばいいの?
「こういう方にはこの本がオススメ!」をまとめてみました。
タイトル | こんな人にオススメ! |
異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 | ビジネスで即使える異文化フレームワークが欲しい |
木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか | 東洋と西洋の違いを学びたい |
ルーズな文化とタイトな文化 なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか | すぐに使える文化指標をシンプルに1つだけ手に入れたい |
Exploring Culture: Exercises, Stories and Synthetic Cultures | 文化分析の枠組みを理解するだけでなく、使う練習もしたい |
この記事が、異文化コミュニケーションを学習するお役に立てれば幸いです。
参考書籍・サイト
- Green, E. (2016). What are the most-cited publications in the social sciences (according to Google Scholar)?. LSE Impact Blog. (2023年2月取得).
- Hofstede, G., Hofstede, G.J., & Minkov, M. (2010). Cultures and Organizations: Software of the Mind: Intercultural Cooperation and Its Importance for Survival. McGraw-Hill.
- Hofstede, G.J., Pedersen, P.B., & Hostede, G. (2002). Exploring Culture: Exercises, Stories, and Synthetic Cultures. Intercultural Press.
- メイヤー, E. 樋口武志訳(2015)『異文化理解力 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』英治出版
- 宮森千嘉子・宮林隆吉(2019)『経営戦略としての異文化適応力 ホフステードの6次元モデル実践的活用法 第2版』日本能率協会マネジメントセンター
- ニスベット, R.E. 村本由紀子訳(2004)『木を見る西洋人 森を見る東洋人――思考の違いはいかにして生まれるか』ダイヤモンド社
- 大井明子(2018)「文化の違いを越えてグローバルビジネスを成功させるには?<前編>」アルクplus(2023年2月取得)
- About. (n.d.).Erin Meyer. (2023年2月取得).
- ABOUT. (n.d.). Michele J. Gelfand. (2023年2月取得).
- Geert Hofstede biography in brief since 1928 until the present day. (n.d.). Geert Hodstede. (2023年2月取得).
- 「ルーズな文化とタイトな文化」(2022)白揚社(2023年2月取得)
- prof.dr.ir. GJ (Gert Jan) Hofstede. (n.d.). Wageningen University & Research. (2023年2月取得).
- Richard Nisbett. (n.d.). University of Michigan LSA Department of Psychology. (2023年2月取得).
- Taka Masuda. (n.d.). Department of Psychology, University of Alberta. (2023年2月取得).